五木寛之さんの「親鸞」。これにはやられました。素晴らしい作品ですねぇ。
学生時代のトラウマか、仏教(に限らず宗教関連)ものは、これまで避けてきました。日本史の授業は大好きだったのに、鎌倉仏教で躓いたのです。どうやっても覚えられなかったんですよ、法然とか日蓮とか、、臨済宗とか曹洞宗とか、、、。
読み始めたら、面白いこと面白いこと。寝るのも惜しんで一気読みでした。
魅力的な登場人物に支えられた主人公(親鸞)の成長、活劇調のシーン、ちょっとセクシーなラブストーリー。上下巻まったくスキがありません。一級品のエンターテイメント作品です。
ただ「親鸞伝記」と呼ぶにはちょっと違うかなと思います(詳しくないのでわかりませんが)。浄土真宗を研究しているような正統派の方々は、ちょっと首を傾げる箇所が多々あることでしょう。ただ全く無知な私のようなものにとっては、浄土宗、浄土真宗を学ぶ取っ掛かりとして最高の手引書だと思えます。
そして特筆すべきはルビの振りかた。とにかく親切なんです。多くの本でも難読漢字にはルビが振られていますが、それはほとんど初出の場合だけ(100ページくらい後にまた振られることもありますが)。しかしこの作品はページが変わるたび、また同じルビが振り直されているのです。読み方を知るために何ページも前を彷徨うことなく読めるのは有り難いのひとこと。
5段階評価で文句ナシ、☆5つ。仏教が嫌いでも一読をオススメします。
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